湖のそばに佇む「諏訪の浮城」高島城

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4月からスタートしたお城マラソンシリーズ。思わず参加したくなるお城マラソンの魅力を、城郭ライターの萩原さちこさんが紹介します。

長野・諏訪湖マラソン(高島城)

はじめまして。城郭ライターの萩原さちこです。これまで2000以上の城を走りまわってきました。城・歴史・地域の魅力を、この連載でお伝えしていきますね。城めぐりとは別視線・別体験ができる『お城マラソン』は、城・歴史ファンも見逃せない究極の地域体験コンテンツ。マラソンも楽しみながら、城も満喫しちゃってください!

さて、初回は「諏訪湖マラソン」です。「遠くに北アルプス、八ヶ岳連峰や富士山を望み、紅葉に彩られた諏訪湖畔を1周するハーフマラソン。高低差6.5mのほぼフラットなコースです」と、大会実行委員事務局の栁澤修さん。そうそう、四季の表情を映して揺れ動く諏訪湖面の神秘性と、背景に広がる大自然のコントラストが本当に美しいんですよね。私、この地はよく訪れるんです。諏訪神社の総本山・諏訪大社があり、古代からその信仰が根付く地。戦国時代にはこの地を治めた武田信玄も軍神としていました。

一方、諏訪湖は古来歌枕として詠まれる名所で、歌川広重の『不二三十六景』にも富士山の袂に静かに広がる様子が描かれているほどです。「制限時間は、景色を見ながらゆったり走れる3時間。初心者から自己記録更新を目指す方までお勧めの大会ですよ」(栁澤さん)

その諏訪湖にかつて浮かんでみえたことから、"諏訪の浮城"の別名を持つのが高島城です。豊臣秀吉の家臣・日根野高吉が築城。完成した1598年頃は諏訪湖畔の島状地形にあり、湖水と湿地に囲まれた堅固な城でした。諏訪湖から巧みに河川を引き入れて堀をめぐらせていましたが、本丸の北・東側の堀だけは防御力を上げるべく人工的に構築。高い石垣でがっちり囲まれた本丸には、三重の天守のほか二重の櫓などが建ち並んでいました。

おすすめの撮影スポットは、本丸北側から堀越しに復元天守を見上げるアングル。立派な石垣と復元天守のコラボをどうぞ。

「レース中にも、スタートして一つ目の交差点手前から左側に天守が見えますよ」と栁澤さん。なんと、これは必見! さぞかしカッコいいことでしょう。この瞬間のために出走したくなります(笑)。大会メイン会場・諏訪湖ヨットハーバーから高島城までは徒歩で約15分ですから、ゴール後に訪れてもいいですね。
「その前に、ゴール後に用意している大会名物の信州りんごをぜひ! 丸かじりして、疲れた身体をリフレッシュしてくださいね」(栁澤さん)

長野県は縄文遺跡が多く、茅野市尖石縄文考古学館に展示されている国宝の土偶『縄文のビーナス』『仮面の女神』は教科書に載っているほど有名。諏訪湖畔には酒蔵が並び、銘酒・真澄の蔵元もありますよ。驚きの"千人風呂"がある片倉館や上諏訪駅のホームの足湯で知られる温泉地で、隠れた鰻の激戦区でもあります。せっかくなら前後泊して諏訪エリアを満喫してみては?
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