お城マラソン2023リポート①<br> 上田バーティカルレース(長野県) 5月3-4日開催 対象城:上田城<br> 「世界へ!夢の完成形へ!これぞ上田バーティカルのお祭り一体感が帰ってきた~」
上田バーティカルレース
緑深き山道に響き渡る陣太鼓のリズムと法螺貝の音色。真田幸村がはねあげる采配とともにランナーは一人一人、古の戦いが刻まれた森に駆け出していくー。
2023年にスタートした「お城マラソン」の盛り上がりを伝える大会リポート第1弾は、5月3日と4日に開催された「上田バーティカルレース」(長野県)。
お祭り感と一体感が帰ってきた
真田の郷として知られる長野県上田市は、真田一族の本拠地であり難攻不落の上田城を核にした城下町です。大会会場の太郎山には市民に愛される登山ルートとともに上田城を守った山城群が眠ります。1日目は上りのみ最長5kmのバーティカル、2日目は上り下り最長25kmのスカイの2種目。「2020年は中止。21年、22年は恒例の大会セレモニーができなかったので、今年は上田バーティカルのお祭り感と一体感が帰ってきた、解き放たれた盛り上がりとなりました」。
大会実行員会の長谷川さんが声を弾ませたように復活ムードにあふれた2023年大会。ほかの山岳レースとは一線を画した、地元との繋がりが特徴です。
大会のこだわり
プログラムは会場の太郎山から徒歩30分離れた上田駅から始まりました。前述のようにコロナ過の影響で4年ぶりの開会式です。山のレースをあえて市街地のセレモニーから始める理由は「上田の魅力を知ってもらう。マチをにぎやかにする。好きになってもらって毎年来てくれる。そんな想いから生まれた大会なんです」(長谷川さん)。
古戦場だった太郎山大星神社のスタート地点に「真田三氏の郷 信州上田」の幟が連なり、地元の愛好グループによる真田陣太鼓が腹に響くビートを奏でる雰囲気は、まさにお城マラソンです。
スタートは10秒毎に一人ずつ。それぞれ名前を呼ばれ、真田幸村に扮するスターターが振り上げる采配を合図にスタート。同時に銅鑼が打ち鳴らされます。
「いざ出陣!という顔でみんな駆け出します」(長谷川さん)。
かつて敵の侵入を防いだ要害の中をめぐるコースは、山に慣れたトレイルランナーも悲鳴を上げるスーパータフ!そのお味のほどは、ぜひ参加して確かめてください。大会ホームページのハイライト動画には、完走者それぞれが「山頂に何があったか?」を証言していますからぜひご覧ください!
▶大会HPはこちら
ワールドシリーズの一戦に加わりたい!
今年の大会には香港やスコットランドからの参加もあり、ジャパニーズスタイルは大好評でしたが、来年はさらなる進化があるかも。「第10回記念として、ワールドシリーズの一戦に加えてもらうことを目指しています」(長谷川さん)。
そして、夢はこれだけではない。
「いずれは上田城をスタート地点にしたいんです。国道を跨いだり、市街地を走るので上田市や警察署などの協力が不可欠となりますが、それが上田バーティカルの完成形だと思っています」(長谷川さん)。
明確で壮大な夢を抱いて、地元密着の大会運営で上田のマチと親密な関係を育んできた上田バーティカル。お城マラソンとしての価値がさらに高まる完成形をぜひ、体感してみては。
次回は第10回記念大会
2024年5月3―4日 ワールドシリーズ認定の可能性も!